2025年新NISA・成長投資枠で仕込みたい安定・高配当株5選(中小型株編)

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前回は2025年の新NISA・成長投資枠で仕込みたい大型株を検討してみました。今回は中小型株に絞って、累進配当またはDOE(株主資本配当率)基準を配当方針に採用している安定かつ高利回りの銘柄を選定しています。

時価総額が3,000億円以下の中小型株でも、最近は累進配当またはDOE(株主資本配当率)基準の配当方針を導入して、東証の「資本コストや株価を意識した経営の実現」を目指す企業が増えています。特に、PBR(1株あたり純資産)が1倍を割っている企業ほどその傾向が高いようです。

今回は、累進配当またはDOE(株主資本配当率)基準の配当方針を導入してPBRが1倍を割れている中小型の高配当銘柄を5つ紹介します。

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増配も期待できる配当利回り5%以上の中小型株5選

5銘柄とも配当利回りが5%を超える高配当銘柄です。景気敏感株が多く従来は業績に応じて配当の増減の大きい銘柄でしたが、配当方針の変更により業績に関係なく安定した配当が期待できます。

銘柄株価
(12/20時点)
配当
(円/株)
利回り
(%)
タチエス16651046.3%
有澤製作所1426845.9%
イーグランド1380825.9%
飛島Hld.1573905.7%
サンワテクノス21981205.5%

それぞれの企業を簡単に紹介します。中小型株についても業種の分散を意識しています。

タチエス(輸送用機器)

タチエスは、ホンダ・日産はじめ自動車メーカーに自動車シートを製造・販売するメーカーです。2024年売上高3,000億円弱、時価総額700億円規模の企業で、売上の8割程度を海外向けに販売します。

同社は、2024年度を最終年度とする中期経営計画において、DOE3~4%の配当方針を示しました。2023に続き2024年でも方針通り、DOE4.0%にあたる年間104円/株を予定しています。

目先は、トランプ次期大統領政権下での関税引き上げによる、自動車の販売減リスクもあり株価は下落傾向で、配当利回りは12月20日時点で6%を超えています。PBRはまだ0.8倍に満たず割安状態で、自己資本比率も50%近いため次期中期経営計画においてもDOE基準の方針は継続できると考えています。

有澤製作所(化学)

有澤製作所は、携帯電話などプリント基板用の電子材料や航空産業向けのハニカムパネルなどを製造・販売するメーカーです。2,500億円前後の売上高と500億円程の時価総額の規模で、業種としては化学セクターに分類されます。

同社は、2024年5月に今年度までの5カ年の中期経営計画の見直しを行いました。その中で、株主還元方針についてもDOE(6%)または総還元性向(80%以上)のどちらか大きい金額としています。その結果、2024年度の配当は年間84円/株と2023年の60円/株から大きく増配となりました。

方針変更に伴い、株価は大きく上昇しPBRでほぼ1倍に達したところですが、自己資本比率70%弱と財務的には問題なく、PBR1倍以上を維持するためにも安定配当を続けてくれそうです。

イーグランド(不動産)

イーグランドは、首都圏を中心にマンションや戸建ての中古物件をリフォームやリノベーションして再販する不動産セクターの企業です。140億円程の売上高と100億円弱の時価総額の小型株で東証のスタンダード市場に属しています。

同社は、2024年スタートの新中期経営計画において株主還元方針に累進配当の導入を織り込みました。2013年の上場から10年間減配なしですが、今回の方針変更により累進配当が明示されたかたちです。不動産業の自己資本比率の平均が30%程といわれるなか、同社は40%を超え、PBRも1倍を割っており割安な状態が続いています。

金利上昇が予測されるなか業界として業績不安もあるのか株価の上昇は押さえられ6%近い高配当の状態です。ただ、利上げも限定的な感もあり、財務状況を考慮すると累進配当の継続性は高いと考えています。

飛島ホールディングス(建設)

飛島ホールディングスは、トンネルや防災関連の土木・建設事業を担う飛島建設を中核とする持株会社です。国内官公庁向けが6割近くを占めるまさに「国土強靱化」テーマの真っ只中の企業といえるでしょう。

1200億円弱の売上規模と300億円強の時価総額の中堅企業といったところですが、新事業やM&Aにより従来の建設の枠を超えるべく2024年10月にホールディングス化して2027年度に1600億円の売上を目指しています。

ホールディングス化ととも、企業価値向上のための成長投資や財務の健全性との

バランスを考慮しつつ安定的な株主還元を行うという変更を行っています。2024年度は期末一括で70円/株を予定しており、12月20日時点で6%近い高配当銘柄となっています。従来の飛島建設の値となりますが、PBRでも0.6倍と非常に割安です。

サンワテクノス(卸売り)

サンワテクノスは、産業用エレクトロニクス・メカトロニクス関連の装置・部品・機械を技術的な付加価値をつけて提供する独立系の技術商社です。1700億円前後の売上規模、350億円強の時価総額の中堅企業です。

同社は、2024年11月の中間決算発表にあわせて、早期にPBR1倍を目指すという中期経営計画の実現に向けて株主還元の拡充を発表しました。継続的かつ安定的な配当を行うためDOE4.0%以上とする配当方針の変更を行っています。あわせて、株主優待としてQUOカード(100株で1000円)も新設しています。

この発表で株価は上昇しましたが、それでも12月現在でPBRは0.7倍と割安で、自己資本比率も50%と財務的にも問題なさそうです。

まとめ

東証の「資本コストや株価を意識した経営の実現」を意識した企業が中小型株にも増えてきました。新NISAで保有し続けるには高利回りはもちろんのこと安定的であることが重要です。累進配当やDOE基準を導入し、PBRが1倍以下の割安銘柄を拾っていくのが安定的に配当を享受する近道だと考えています。

自分の保有方針にあった銘柄を、厳選したツールやアドバイスで選択するのもひとつの有効な手段かもしれません。

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