中小型株にも増える累進配当!今年導入で増配期待の高配当保有銘柄5選

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2023年度の本決算も一段落し、2024年度から新中期経営計画をスタートする企業も多数あります。その新中期経営計画の株主還元方式に累進配当を導入する企業も多くなりました。これまで、商社や銀行の大企業での導入がメインでしたが、中小型株にも導入が増えてきた気がします。

本記事では、今年累進配当を宣言したことで、継続保有の安心感が増した保有銘柄を4つ紹介したいと思います。今後の増配による利回りの上昇や値上がりも期待したい銘柄でもあります。今後の銘柄選定のお役に立てば何よりです。

今年累進配当を導入してくれた中小型保有銘柄5選

累進配当を宣言してすぐに値上がりしてした銘柄、あまり反応していない銘柄とまちまちです。今回は、累進配当公表日と現在の株価を比較してみたいと思います。

銘柄導入
公表
公表

株価
現在
株価
上昇率
配当配当
利回
たけびし1/3121002165
+3.1%
622.9%
フルサト
・マルカ
4/1520322179
+7.2%
974.5%
稲畑
産業
5/933653525
+4.8%
1253.7%
イーグ
ランド
5/1015391558
+1.2%
825.3%
JALCO5/10342483
+41%
183.7%

TOPICSで見ると5/10の終値は3,728円、6/20の終値は3,725ですのでほほ横ばいです。従って、この4銘柄はすべて株価の上昇率でTOPICSのパフォーマンスを上回っています。増配と値上がり期待が膨らむ良い有り難い銘柄となりました。

ここからそれぞれの銘柄を簡単に紹介していきます。株主優待により総合利回りがさらに魅力的な銘柄になるものもありますのでご覧ください。

配当方針に安定配当が期待できるDOE基準を導入した高配当銘柄についてもこちらから参考にしてみてください

たけびし(7510・卸売)

たけびしは、三菱電機製品を中心とした産業用電機・電子機器を取扱う技術商社です。売上高は右肩上がりで昨年度、大台の1,000億円に届きました。時価総額は、330億円強なので小型株の部類に入ります。今年度予測でPERが13倍弱、PBRも0.9倍を下回る割安株です。

そんなたけびしは、今年1月末にPBRは1倍割れの現状を意識した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」方針を発表しました。

その中で、株主還元については「累進配当及びDOEの向上による、継続的かつ安定的な配当の実施を基本方針とし」と謳っています。具体的には、2026年度中計達成時DOE4%以上、配当性向を40%以上を目標に掲げました。

今年度の予測がDOEが2.7%、配当性向が39.5%なので、今後の業績次第での増配期待といったところでしょう。

たけびしが素晴らしいのは、株主優待もあることです。3月と9月の年2回の権利確定月に100株以上の保有で、1,000円のQuoカードが頂けます。株主優待も含めた総合利回りでは3.8%になります。

フルサト・マルカ(7128・卸売)

フルサト・マルカは、建設資材、機械工具、建設機械・Iotソリューションの4つの事業領域を柱とする卸売商社です。

近年は1,700億円規模の売上が続いており、時価総額では540億円ほどの小型株です。今年度予測でPERが10倍弱、PBRも0.7倍程度の割安株です。

フルサト・マルカもPBRは1倍割れの現状を改善すべく対策の発表を行っています。株主還元方針として、「普通配当については、中長期的な株主還元目標をDOE(株主資本配当率)3.5%以上とし、継続的に増配を行うこと(累進配当)を基本方針とする」としました。

ただし、後日発表された第1四半期の決算発表では、1株97円の内訳が普通配当75円、記念配当22円となっていたので、2025年以降の配当については注意が必要です。

フルサト・マルカもQuoカードの株式優待を実施しています。12月末権利確定で、保有3年未満だと100以上で500円、200株以上で1,000円、500株以上だと5,000円です。保有が3年を超えると100以上で1,000円、200株以上で3,000円、500株以上だと10,000円に増額されます。

総合利回りを大きく押し上げるものではありませんが、3月と較べると少ない12月権利確定優待品が頂ける嬉しい銘柄です。

稲畑産業(8098・卸売)

稲畑産業は、各メディアでも頻繁に取り上げられる王道の株主優待銘柄ですが、高配当でもあります。合成樹脂などの化学製品や太陽電池部材などの情報電子を扱う住友系列の化学専門商社です。

順調に業績を拡大しており今年度8,000億円超えを目指します。時価総額は、2,000億円近くありますが括りとしては中型株の部類に入ります。株価は順調に上昇していますが、それでも今年度予測でPERが11倍弱、PBRも0.93と1倍に届いていません。

その、稲畑産業は今年度、2026年度までの新中期経営計画をスタートさせました。そのなかで経営基盤戦略の1つとして、「資本コストや株価を意識した経営」の実践(PBR1倍を常態的に超える株価水準の早期達成)を掲げています。具体的には、総還元性向50%程度を目安とした株主還元水準の維持と累進配当の継続を宣言しました。

さらに、稲畑産業でも保有株数と保有年数に応じたQuoカードの株主優待を実施しています。権利確定は9月末で、保有6ヶ月未満では、株数に関係なく500円です。6ヶ月以上では100以上で1,000円、200株以上で2,000円、500株以上だと3,000円になります。3年以上になると、100以上で2,000円、200株以上で3,000円、500株以上だと5,000円です。

累進配当と株主優待の長期保有制度で株価の安定も期待できます。

イーグランド(3294・不動産)

イーグランドは、首都圏を地盤に不動産競売市場や一般の中古住宅再生市場から仕入れた中古住宅に付加価値を付けて販売する企業です。

ここ数年、売上は右肩上がりで今年度300億円を見込ですが、リフォーム費の上昇により減益見通しです。時価総額は100億円にも満たない小型株ですが、今年度見込みでPER9.2倍、PBR0.85倍と割安です。

イーグランドは、5月の本決算において、累進配当を継続的に実施していくことを基本方針を明言しました。2013年度の上場以来、減配はしていませんでしたが、今後も累進配当の継続を表明したかたちです。

株価はあまり反応していませんが、金利の上昇による業績懸念で株価を落としている銘柄が多い中で、維持出来ているのは累進配当を宣言したおかげと思っています。

不動産銘柄は高配当銘柄が多いですが、業績の変動に大きく左右され減配リスクを伴います。累進配当の宣言により減配の心配をしなくてよいのは本当に有り難いです。

JALCOホールディングス(6625・不動産)

最後は、JALCOです。アミューズメント企業などから購入した施設を賃貸したりM&Aコンサルを柱とする企業です。企業の不動産をオフバランス化して資産の運用効率向上のサポートをします。

今年度は昨年度大きく貢献した不動産売却の特益がなくなり減収・減配ですが、一昨年比較では増収・増益です。時価総額は430億程度の小型株で、今年度見込みPER8.3倍、PBR1.03倍と比較的割安です。

JALCOも5月の本決算のタイミングで配当政策の基本方針の変更を発表しています。「賃貸不
動産から得られるストック収入を基準として、「減配なし、配当維持もしくは増配のみ」とする『累進的配当政策』の導入」を宣言しました。

累進配当を宣言して、今年度の配当は昨年度と同額を予定していますが、減収のため配当性向が280%までになります。配当が業績に左右されないのが累進配当のよいところですが、 何年もこの配当性向は続けられないので、次年度の業績や自己資本比率もチェックしておきたいところです。

JALCOも保有株数に応じた株主優待を実施しています。最低でも3,000株以上が条件となるのでハードルが高くなりますので、ここでは株主優待の存在だけお知らせしておきます。

自分の方針にあった株式保有と銘柄選びを

わたしは、年齢的に安心・安全と高配当のバランスを重視した銘柄選びを心がけています。それは年齢や収入・支出、家族構成によっても変わって来るでしょう。自分に適した情報を提供してくれるやアドバイスやツールを選択するようにするとよいでしょう。

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