2024年になって新NISAが始まりました。それに呼応するように日経平均も爆上がりして、1次4万円を超えたり、史上最高値を超えたりとお祭り騒ぎになりました。4月に入ってからは調整局面に入り落ち着きを取り戻しています。
個人的には、含み益が増えるのはもちろん嬉しいですが、むしろ日経平均の上昇にともない配当が増えていってくれるほうが有り難いです。含み益はあくまで未実現の利益であり、株価が下がれば目減りします。配当は、実現する確定利益なので我々セミリタイア民にとっては収入源であり、生活を支える源泉だからです。
今回は、今後仮に日経平均が下落局面に入っても配当が減るリスクの少ない配当方針のDOE基準を採用する2024年に入り購入した高配当銘柄を紹介します。銀行や商社は株価が上がりすぎて利回りが低下するなか比較的高配当を維持しています。
安定的に配当収入を期待される方は是非参考にしてみてください。
配当指標のDOE基準とは?
DOEは、株主資本配分率(Dividend On Equity ratioの略)です。一般的な配当指標の配当性向は企業の純利益のうちどれだけの割合を配当に回すかを示します。対して、DOEは株主資本を基準として配当を決定します。それぞれ算出方法は以下の通りです。
- 配当性向(%)=配当総額/当期純利益×100
- DOE(%)=配当総額/自己資本×100
DOEは、自己資本の有効活用を示すため、企業の財務の健全性や資本効率を評価する指標にもなります。
DOE基準の株主メリットは?
配当性向基準では、単年度の業績に準じるので年度での配当の変動が大きくなります。一方、DOE基準は、株主資本が安定していれば単年度の善し悪しに関わらず継続的に安定した配当が期待できます。
当然、配当は確約されてはいません。業績が悪く株主資本が減れば減配されますし、業績がよく余剰金を積み増し自己資本が増えていけば増配も期待できるのです。
DOEを維持できる企業は、利益が安定している証拠でもあるので、我々は企業への信頼感や安心して株を購入できます。
その他の配当方針
これまで、配当方針のDOE基準について説明しました。その他、企業が配当方針として一般的なのが、累進配当と配当性向です。配当性向については、上記した通りなので、ここでは累進配当について説明します。
累進配当
累進配当は、その名の通り業績の良くても悪くても増配または維持し、減配はしない配当方針です。配当方針のなかでは、当然この累進配当が投資者には好ましいのは明らかです。
ただ、この先行きが不透明な時代に累進配当を宣言できる企業は多くはなく、大手銀行や大手商社の財政面で超優良企業に限られます。
累進配当を宣言した企業はすでに株価は暴騰しており、今購入しても配当の利回りはだいぶ低下してしまっています。
そこで、現時点で安定かつ高配当が期待できるのがDOE基準採用の企業というわけです。
2024年に購入したDOE基準銘柄3選
3銘柄とも以前から目を付けていましたが、株価が上がって購入をためらっていたものです。2023年度の本決算において2024年度見通しで増配を発表しましたが、大きく株価は下落しました。ここぞとばかりに購入させて頂いたものです。購入後、若干値を戻していますがまだまだ高配当といえます。
1.テイ・エステック(7313)
テイ・エステックは、四輪・二輪車用シート、内装品を開発から生産まで手掛ける自動車内装品メーカーです。9割がホンダグループ向けで、世界13カ国グローバルに供給しています。
2024年度年初計画および最新の株主還元方針は以下のとおりです。
- 売上:4,500億円(前年比:102%)
- 税引き前利益:225億円(前年比:104%)
- 配当:83円/株(前年比:+10円)
・株価(5/15時点):1,775円、配当利回り:4.7%
- 株主還元方針(第15次中期経営計画(2024~2026年度)
・配当:DOE 3.5%以上に向け安定増配
・自己株式取得:200億円規模の機動的な自己株式取得と適切な消却
5%近い配当利回りと増配宣言は魅力です。あわせて、テイ・エステックは株主優待も設定しています。わたしが購入した200株だと3月末権利確定で、3,000円分の優待カタログ品を選択できます。長期保有による増額も設定しています。
2.NOK(7240)
NOKは、日本初のオイルシールメーカーで自動車や建設建機向けなど国内シェア70%をほこります。またフレキシブルプリント基板は、国内メーカートップシェアでスマートフォンやウェアラブル端末などに使用されています。
2024年年初計画と株主還元方針は以下のとおりです。
- 売上:7,083億円(前年比:94%)
- 税引き前利益:300億円(前年比:74%)
- 配当:100円/株(前年比:+12.5円)
- 株価(5/15時点):2,135円、配当利回り:4.7%
- 株主還元方針(中期経営計画(2023~2025年度))
- 配当:DOE2.5%以上
- 自己株式取得:23年度は100億円。24・25年度も状況に応じた金額で実施
大幅減益を受けて株価下落しましたが、増配のおかげで利回りが高くなりました。
3.エクシオ(1951)
エクシオは、NTTなど通信キャリア向け電気通信工事の大手です。その他、都市インフラの電機・土木工事や、システムソリューションなどの事業を展開しています。
2024年年初計画と株主還元方針は以下のとおりです。
- 売上:6,300億円(前年比:103%)
- 税引き前利益:363億円(前年比:98%)
- 配当:62円/株(前年比:+2円) ※2024/3株主分割換算
- 株価(5/15時点):1,637円、配当利回り:3.8%
- 株主還元方針
- 配当:積極的かつ安定的な配当を継続。DOE3.5%目途
エクシオは、今年度で13期連続の増配銘柄です。前の2銘柄に比べると利回りで劣りますが安定性と今後も継続的な増配が期待できます。
まとめ
安定した高配当の維持は、セミリタイア生活には重要です。継続的な業績ウオッチは必要ですが、DOE基準の銘柄は比較的安心・安全な銘柄だと思います。ご参考にしてみてはいかがでしょうか。
決して購入を推奨するものではありません。みなさんの年齢や購入基準に応じて自己責任で判断をお願いします。